サーボ系における目標値整形技術とその高周波電源システムへの応用

背景と目的

 本研究では,サーボ系の目標値追従性能を改善させるための目標値整形技術を提案する.実際に,サーボ系を設計する際には,積分型サーボ系や2自由度制御系などが用いられ,仕様に合わせてフィードバック制御器やフィードフォワード制御器などのチューニングを行なう.しかし,設計済みの制御器が組み込まれた製品の運用中に,その製品の仕様が変更されたり,制御対象の特性が変わる状況が考えられる.そのような場合には,制御器の再設計が必要になる.しかし,製品化されている商品では,制御器がブラックボックス化されていることがある.また,仕様の変更が一時的な場合には,制御器の設計を変更することは避けたい.そこで,本研究では,既存の制御器に後付けすることで制御性能を改善する二つのアドオン型の制御器を提案する.一つ目は,出力情報をフィードバックしながら目標値の整形を行う目標値整形器,二つ目は,目標値を制御対象に直接反映させるフィードフォワード制御器である.本研究ではこれらの設計問題を考える.

成果

 本研究で得られた成果をつぎに示す.
 ・時不変のアドオン型制御器の設計問題の定式化
 ・Differential Evolution を用いた設計手法の提案
 ・高周波電源への応用(シミュレーション)
 ・時変(切り替え型)のアドオン型制御器の設計問題の定式化
下の図は高周波電源システムに対して提案手法を適用した結果となる.図の黒の点線は目標値信号,青の実線はアドオン型制御器を追加していないシステムの出力,赤の実線がアドオン型制御器を追加した出力となる.この図よりアドオン型制御器を用いたことで追従性能が向上したことが確認できる.