周波数変動外乱の推定に基づく高効率パワーアシスト制御

背景

近年,深刻化する少子高齢化社会を意識し,産業分野や医療福祉分野への応用を目的としたパワーアシスト機器に関する研究が活発に行われています.こうした機器のうち,特にバッテリ駆動のものにおいては,利便性向上のためにエネルギ効率の良いアシストが求められます.これに関して,人の継続して行う動作の周期性に着目し,制御手法を工夫することで高エネルギ効率のアシストを実現する試みが盛んに研究されています.ただし,人が発生する力の周期は時間によって変動することが想定されるため,アシスト制御系はこれに対する適応的な対処が必須であると考えられます.

目的

本研究では,特に人の動作の周期性が顕著に表れる電動アシスト自転車を対象に,人の力の周波数変動を考慮したエネルギ効率の良いパワーアシスト制御系を提案します.

図1 実験機の概観

図1 実験機の概観

提案手法

提案手法は,周波数推定器と周波数変動外乱推定器の2つの構成要素から成ります.周波数推定器はトルクセンサの値をもとに,人のペダリング時発生トルクの周波数をリアルタイムに推定します.周波数変動外乱推定器(DOFV)は周波数推定値をもとに周波数変動外乱を推定し,エネルギ効率に悪影響を与える振動成分を抽出して相殺することに用います.

図2 提案するパワーアシスト制御系

図2 提案するパワーアシスト制御系

結果

結果として提案アシストを用いた際,従来法(左)よりも提案法(右)はより速度の脈動を抑制しつつ走行が可能であることが確認されました.またこれによって,同一距離を走行した際,提案法の方がよりバッテリ電圧降下を抑制しつつ走行が可能であることが確認されました.

図3 同一距離走行時におけるバッテリ電圧降下(赤:提案法 緑:従来法)

図3 同一距離走行時におけるバッテリ電圧降下(赤:提案法 緑:従来法)

関連文献

佐藤拓磨, 平田健太郎, 畑田和良, 杉本謙二,
“周波数変動外乱の推定に基づくパワーアシスト制御の検討”,
第15回 計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会 SI2014, 2B2-1, pp. 1127-1132 (USB), 東京ビッグサイト, 2014/12/16