照度場制御に基づくロボットナビゲーション

背景

本研究の背景としては移動ロボットの誘導制御問題がある.この誘導問題はロボットを任意の目標位置に到達させることが目標としてあげられる.従来の一般的な手法としてはGPSやカメラ・測域センサなどの手法でロボットとコントローラが相互に通信を行って目標位置に誘導するものである.しかし,これらの手法では正確な位置情報が利用できないと正常に動作しないといった問題がある.

図1 位置情報を取得するセンサが不利な状況

図1 位置情報を取得するセンサが不利な状況

目的

正確な位置情報が利用できない問題がどのような要因で生じるかは,大きく2つに,分けることができる.
ひとつは,センサが機能しない環境があるということである.これは,GPSは,高層ビルが立ち並ぶような障害物が多い屋内であったり,トンネルなどの地下空間では電波が届かずに正確な位置情報を取得できなくなる.そして,測域センサはレーザーを掃射して得られる周囲の距離データから自己位置を推定できるが,周囲に物体がない場合やレーザーを吸収する素材が存在する場合では機能しない.
もう一つは,センサが導入できない状況があるということである.これは,カメラを使用した際,プライベートな空間での運用ではプライバシーの問題が無視することができない.
このような要因から,従来手法とは異なる別のアプローチを位置情報を用いないで目標を達成できる手法の提案が本研究の目的である.

提案手法

本研究のアプローチは照度場を制御することでロボットを誘導する手法である.
これは生物の走光性,具体例では蛾やハエなどが光に集まる行動原理に着想を得ている.その結果,構想したのが,上部に設置されたプロジェクタから画像生成コントローラをもとに2値画像を地面に投影することで照度場を生成し,ロボットに搭載された光センサがその色情報を取得して誘導するシステムである.このシステムによって照度場によるロボットの誘導を実現する.

図2 提案手法概要

図2 提案手法概要

成果

本論文の成果はつぎの3つである
・位置情報を必要としない新しいナビゲーションシステムを提案
・コントローラの設計法の提案
・誘導させる条件を理論的に明らかにし,0,1という情報でロボットを誘導できることを示した.
以下の動画は提案手法を用いて実機実験を行ったものである.