Geometric programによる送信電力制御アルゴリズムのロバスト安定化

背景と目的

まもなく導入が予定されている第5世代移動通信システムでは本格的なIoTサービスの導入が期待されている.効率的かつ公平な通信を実現するためには送信電力制御が必要不可欠である.最も基本的な自律分散型送信電力制御のアルゴリズムとして,Foschini-Miljanicアルゴリズムがある.このアルゴリズムは既知の通信環境を仮定しているため,通信環境に不確かさがある場合におけるアルゴリズムの安定性が保証されていない.本研究では,アルゴリズムのロバストな安定性を各チャネルの所望のSINR値の最適な割り当てによって実現する方法を提案した.

成果

本研究で得られた成果を以下に示す.

  1. 干渉の不確かさを考慮した送信電力制御アルゴリズムのロバスト安定性の保証
  2. 所望のSINR値の調整コストを最小化する最適化手法
  3. 各チャネルの公平性を担保した最適化手法

本研究では,各チャネル間の干渉に不確かさがあると想定し,所望のSINR値を最適に割り当てることでアルゴリズムのロバスト安定性の保証を実現した.最適な所望のSINR値を求めるために最適化問題を設定した.この最適化問題をgeometric programや凸最適化問題に帰着できることを示した.
また数値例を行い,所望のSINR値を最適化によってアルゴリズムのロバスト安定性を保証できることを確認した.