隠れマルコフ過程を用いたマルコフ過程の補間

背景と目的

マルコフ性とは確率論における確率過程の一種であり,
その確率過程の将来の状態の条件付き確率分布が現在の状態のみに依存し,
過去のいかなる状態にも依存しない性質であり,マルコフ過程は様々な場面で用いられている.
マルコフ過程の定める単位ステップ時間より短い期間の推移行列を求める方法も必要とされているが
先行研究では補間されるマルコフ過程によっては適切な補間が行えない場合がある.
本研究では隠れマルコフ過程を用いて補間問題を適切に最適化問題に置き換えることで,
任意のマルコフ過程を補間する方法を提案する.

マルコフ過程の例:債権等の格付けの推移行列

図1 マルコフ過程の例:債権等の格付けの推移行列


図2 位置情報を取得するセンサが不利な状況

図2 債権等の格付けの推移

提案手法

先行研究ではマルコフ過程を厳密に補間する方法が検討されているが,適切な補間が行えない場合が存在した.
本研究ではマルコフ過程の補間問題を最適化問題に置き換えることで任意のマルコフ過程を補間する方法を検討する.
このとき,近似誤差を小さくするためマルコフ過程の補間には隠れマルコフ過程を用いる.
隠れマルコフ過程を用いる提案手法は最適化するパラメータの数が大きくなるという欠点がある.
そのため本研究では目的関数に正則化項を加え,スパースな隠れマルコフ過程を求める.
この最適化問題の解析的な解を求めることは困難であると考えられるため,
本研究ではParticle Swarm Optimizationと確率的勾配降下法を用いて解を求める.

成果

本研究で得られた成果を以下に示す.

  1. 任意のマルコフ過程を任意の期間で補間する方法を提案
  2. スパースな隠れマルコフ過程を用いることで補間の精度が向上する場合があることを示す.